治療とラーメンと私/闘病記 〜ズルズルと、掻き込むたびに恍惚に〜

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明石の国道二号線沿い屋台発祥、ラーメン2国梅田お初天神店        丼からはみだす名物チャーシュー麺 キムチトッピングモヤシ多め麺固め ¥1090 1100〜0100 月曜定休   P無し、商店街ど真ん中


2019.11.20 エッセイ

どうも、シバク・ドワレです。

明日からの入院2回目のケモを前にして、病院を脱走してラーメンを食いに行ってきました。

わざわざ大阪の梅田まで、新御堂筋を小1時間ほどロケバンで駆け抜けて、です。西日本最大の繁華街ど真ん中ですので、駐車場だけで¥990も取られました。どアホですな。

なんで梅田かと言えば、いつも西へ向かう時の通過儀礼にしている神戸の「ラーメン2国」の支店が、梅田のお初天神にあるからです。神戸まで行く手間と軽油代を思えば、安いモンですよね。

 

この大好きなラーメンを食べに向かう時のこの上ないワクワク感、判ってもらえるでしょうか。

まるで中学2年の頃の夏休み、好きだとの想いをなかなか伝えられずに密かに恋い焦がれているあの娘に、仲間内8人くらいで集まる時に偶然のふりして隣に座るかのような高揚感を覚えるのであります。

私はそんな殊勝な性格ではなく、好きな子には好きやと直ぐに告げていましたが。欲しいもんは自ら勝ち取るタイプなんです。

下へ続く

 

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時は流れ

いまや棺桶に片足を突っ込む状況となり、そんな儚い恋をすることもはるか昔の物語と成り果てました。入院一週間にして早くも病院食に嫌気がさしてきており、このキムチとチャーシューの夢のコラボビジュアルが夢にまで出てきていたんです。

 

私は生粋の日本人ではありますが、無類のキムチ好きです。かつて大阪の生野区鶴橋猪飼野にあるコリアンタウンを筆頭に、韓国オモニ手作りとの触れ込みであるところの相当数のキムチを食べ歩いてきましたが、今はこのラーメン2国のキムチに落ち着きました。

 

酸っぱからず、甘過ぎず。

なんとも絶妙な酸味とコクのバランスが、闘病に疲れた身体を突き抜けます。

よく言われるのが、キムチはただ辛ければ良いのでは無いとの信念。口にした途端にまるでゴジラの如く火を吹かんばかりに辛すぎると、せっかくの海鮮の旨味が麻痺してしまい、カプサイシンの温熱効果のみを追い求める愚を犯してしまいます。

むしろこの2国キムチは、まったく辛く無いと言っても過言ではありません。ほりこんだら途端にヒーヒー言うのとは程遠い、存在する限りいくらでも口にできる優しさに、まるで早春の高原にて咲き誇る花達を枕にウトウトと昼寝をするかのような夢心地を覚えるのであります。なんて詩的な表現。キムチの麗しき香りと、撫子のような爽やかさにピッタリですね。

四人用のタコ部屋暮らしですので今日はニンニク大盛りとは行きませんが、この絶品キムチラーメンをかっ喰らって多少のスタミナを付けて帰りましょう。

 

私が長年に渡り闘病を続けられるのも、この無類のラーメン食欲があればこそ。

医療従事者の皆さんや、家族や知人に進行がん患者がいる方はご存知でしょうが、抗がん剤治療を続けていると和食系を受け付けなくなる期間が必ず訪れます。

人により何も食べられなくなるパターンと、私のように好きなもの、濃い味付けならガツガツと食べられるパターンに分かれるようですが、前者の何も食べられない人は、本当に可哀想です。

トイレなどですれ違う度に日毎に痩せていくのを見かけると、それらの人は足腰も弱っているので尚更外へは出かけず、そうなると腹が減らないので更に食欲が無くなる。

そんな悪循環から寝たきりになり、やがて体力と精神力の限界が到来して治療を断念し旅立たざるを得ない状況に陥るのです。

 

ですので、私は主治医からも担当看護師からも、食事制限は受けていません。

好きなものを好きな時間に食べて、1日の基礎代謝だけ割らないような食生活を心掛けるよう指導されています。

ラッキー!

それがニンニクラーメンだろうが、ひろめ市場のカツオの藁焼きニンニクスライス載せだろうが、好きなんだから食い放題です。

アルコールは医療用麻薬と相性が悪いのでセルフコントロールしとりますが、完全に飲めない訳でもありません。しかし、もう炭酸を飲むと腹がはち切れそうになってメシが食えなくなるので、今は酒よりもラーメンの方が好物になっています。

 

ラーメン。

60歳近くもなって週に5回も食べてたら、普通は高血圧や循環器系疾患との闘いですよね。おそらく私の血中ラーメンスープ濃度は異常な数値を示しているはずです。

健常者なら、人間ドックや健康診断はせいぜい年に一回受診するかしないかでしょうから、お気をつけくださいね。

ところが私は都合のいいことに、毎週毎週貴重な血液を抜かれまくって成分検査を受けており、毎週人間ドックに入っているようなもんなんです。

もちろんそれは、私の身体が抗がん剤に耐え得るかどうかを判断する指標となる、白血球数や好中球数のデータを取得するため、若しくは腫瘍マーカーの値を取るための検査です。

しかし好都合なることに他の中性脂肪であるとか尿酸値であるとか、その他諸々の成人病指標データも同時に表示されますので、それを腫瘍内科医である若き主治医が必ずチェックしてくれており、異常値があればアドバイスや投薬処方をしてくれます。

 

これが、いわゆる「一病息災」ってヤツですな。

本来なら無病息災が良いに決まってますが、そうなると人間過信して、健康に対して疎かになり、どこかの器官がボロボロに経年劣化してから慌てて病院の戸を叩く。

それでは遅いのですよ。

特に、会社での健診対応が無いパートさんやフリーター、専業主婦などは十二分なるご留意を。がんに限りませんが、疾病への治療は早期発見できるほど、簡単に低額で治療に取りかかれますよ。

病気が見つかるのが怖いから健康診断を受けない、と宣うご婦人が妻の同僚に存在しましたが、呆れて口が塞がりませんでした。

 

以上のようにドクター公認でラーメン街道をひた走っている私。

問題は、長旅のキャラバンでそれに付き合わされる妻です。いつもは独りで野菜中心の生活を送り、徐々にではありますが痩せてきていたのに、私がロングキャラバンに連れ回して豪華ラーメン生活を送ると、帰宅したら2キロは肥えています。

すまんのう。

妻は心臓の弁に軽い異常が見つかっていますので、塩分摂りすぎは禁忌。ですので、スープは残すよう指導しています。味噌ラーメンが好きなのも、良くないですね。

まあラーメンなら何味でも塩分の摂りすぎなのは50歩100歩でしょうが。

 

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さてさて、幸せなうちにチャーシュー麺キムチトッピングモヤシ多め麺固めを喰い終わり、梅田を後にした私。

大阪府北部の箕面市にあるホームセンターの駐車場をお借りして、しばし別荘暮らしを満喫します。空はこの上なく晴れ渡り、心にただ一点の曇りもありません。

 

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病室ではテレビジョンなど滅多に観ませんが、車内にあるとつい点けてしまうのは古い人間の象徴なのでしょう。

今は亡き親父も晩年は、うたた寝して観てもいないのにオカンにテレビを消されると、「観てるのに!」とその時だけ起きて怒ってはまた直ぐにグゥグゥ寝ていたものです。

 

今朝は大阪も随分と冷え込み外は寒々としてきましたが、車内には布団シュラフが常備してあるのでヌクヌクです。このように、遠くへ旅に出ずともその辺の駐車場ででも旅気分を味わえる、キャンピングカーでの日常。

この大きなクルマにより、私の闘病治療は支えられているのです。

 

長くなりましたが、僅かキムチラーメン一杯で、随分と幸せな気分に浸ることができ、再収監にも快く応じる事ができました。

さあ明日からケモ、がんばりまひょ!

2019.11.20

 

ご閲覧ありがとうございました。よろしければ他の記事も覗いて行ってくださいね。 自作キャンピングカーと大型オートバイを中心に、夫婦での旅記録が主な内容です。

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